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地図の種類:一般図と主題図、12種類の地図の特徴と使い分け

地図の種類を一般図(行政区分図、地勢図、地形図、道路地図、地籍図)と主題図(コロプレス図、ドットマップ、図形表現図、流線図など)に分け、何を表し、どんなデータが必要で、いつ使うかを解説します。

Brent van der Heiden最終更新 20 min read
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地図の種類:一般図と主題図、12種類の地図の特徴と使い分け

地図の呼び名は何十種類もありますが、ほとんどの地図は二つのグループのどちらかに入ります。日本の地理の授業でも使われる一般図と主題図です。一般図は多くの要素を同時に示し、場所を探したり、場所から場所への道をたどったりするための地図です。主題図は人口密度、選挙結果、降水量などのテーマをひとつ選び、それ以外の地理情報を控えめな背景にします。

この記事では、よく目にする12種類の地図を取り上げます。一般図が5種類、主題図が7種類です。それぞれについて、何を表すのか、どんなデータが必要か、いつ使うべきかを説明し、詳しい解説記事がある場合はリンクしています。最後に、主題図の種類の選び方と、MapAtlas Maps APIを使った作り方を紹介します。

一般図と主題図

地図帳のページや登山地図のような一般図は、多くの要素を同時に示し、それらをほぼ同じ重みで扱います。答える問いは「ここに何があるか」です。主題図は地理情報をベースレイヤーに下げ、ひとつのデータセットを前面に出します。答える問いは「これはどこに集中していて、どんなパターンがあるか」です。

二つのグループは組み合わせて使われます。主題図はほぼ必ず、灰色の境界線や淡い道路網のように控えめにした一般図の上に描かれます。そのため、目はデータを表す色や点、記号に向かいます。また、どちらのグループの地図も平面である以上、丸い地球を紙面に広げる方法を決める地図投影法を使っています。

12種類の地図の一覧

#地図の種類グループ表すもの使う場面
1行政区分図一般図境界、首都、都市どこを誰が治めているかを示したいとき
2地勢図一般図山地、河川、湖、起伏国全体の規模で自然の地形を示したいとき
3地形図一般図等高線による起伏、水域、道路、建物身近な範囲で高さや傾斜を知りたいとき
4道路地図一般図道路網、地名、施設移動や道案内に使うとき
5地籍図一般図土地の区画(筆)とその境界所有、不動産、都市計画に関わるとき
6コロプレス図(階級区分図)主題図比率で色分けした地域データが地域ごとの比率のとき
7ドットマップ主題図N件ごとに1つの点データが面に広がる実数のとき
8図形表現図(比例シンボル図)主題図実数に応じた大きさの記号データが地点ごと、または地域ごとの実数のとき
9カルトグラム主題図値に応じて大きさを変えた地域実際の面積がメッセージをゆがめるとき
10等値線図主題図同じ値を結んだ線データが連続した面のとき
11流線図主題図場所と場所の間の移動データが出発地と目的地の組のとき
12ヒートマップ主題図点の密度をなめらかにした面点がどこに集まっているかを示したいとき

一般図の種類

1. 行政区分図

行政区分図は、境界、首都、主要都市を示し、国や都道府県ごとに別々の色で塗り分けた地図です。教室に貼られている日本地図や世界地図がその典型です。ここでの色は隣り合う区域を見分けるためのもので、データは持っていません。この点が、一見よく似たコロプレス図との一番の違いです。

2. 地勢図

地勢図(物理図)は、山脈、平野、河川、湖、海岸線といった自然の地形を示します。起伏は通常、低地の緑から高地の茶色、山頂の白へと変わる段彩で描かれ、陰影(ヒルシェード)と組み合わせることもよくあります。国や大陸の規模を扱う小縮尺の地図なので、地形の形はわかりますが、ひとつの山の高さを測ることはできません。

3. 地形図

地形図は同じ地形を大縮尺で示し、同じ高さの地点を結んだ等高線で起伏を測れるようにした地図です。縮尺は2万5千分1や5万分1が一般的で、日本では国土地理院が2万5千分1地形図を刊行しています。水域、植生、道路、建物、地名も載っているため、登山者、技術者、都市計画の担当者が同じ地図をそれぞれの目的で使います。等高線の読み方は等高線の解説記事で説明しています。任意の地点の標高は標高ツールで調べられます。

4. 道路地図

道路地図は道路網を主役にした地図です。高速道路、主要道路と細い道、地名、ガソリンスタンドのような施設を示します。多くのWeb地図の標準スタイルは道路地図です。人が地図を開く一番の理由が移動だからです。

5. 地籍図

地籍図は土地の区画、つまり一筆ごとの境界と地番を、国の地籍や登記の記録に基づいて示す地図です。土地の売買、課税、建築の許可の基礎になります。数メートルの境界のずれでも所有者にとっては大きな問題になるため、地籍図は500分1から5,000分1程度のごく大きな縮尺で作られることが多いです。

ほかにも、特定の目的のために同じ考え方で作られた一般図があります。海図は水深、危険箇所、ブイを示します。航空図は空域の区分と航法援助施設を示します。

主題図の種類

6. コロプレス図(階級区分図)

コロプレス図は、国、都道府県、市区町村、郵便番号区域、六角形グリッドなど、あらかじめ決まった区域を値に応じた色で塗り分けた地図です。都道府県別の投票率が典型的な例です。必ず先にデータを正規化してください。実数のままコロプレス図にすると、面積の大きい地域が過大に見え、小さい地域のパターンが隠れてしまいます。階級区分や配色の詳細はコロプレス図の解説記事で扱っています。

7. ドットマップ

ドットマップは、ある現象がN件あるごとに点を1つ置く地図です。たとえば人口1,000人につき点1つ、という具合です。地図上に数字がなくても、目は点の集まりを密度として読み取ります。面に広がる実数に向いていて、コロプレス図の面積バイアスも避けられます。点1つが表す値の決め方と点の配置方法はドットマップの解説記事を参照してください。

8. 図形表現図(比例シンボル図)

図形表現図は、各地点に円などの記号を置き、その大きさで値を表す地図です。店舗ごとの顧客数、都市ごとの人口、国ごとのカメラ台数などに使います。それぞれの場所がどれだけの土地を占めているかに関係なく、2つの円を比べるだけで2つの場所を直接比較できます。値を円の面積で表すべき理由は比例シンボル図の解説記事で説明しています。

9. カルトグラム

カルトグラムは、各地域の面積がデータに比例するように大きさを変えた地図です。人口の多い国は、実際の広さに関係なく地図上で大きく描かれます。コロプレス図の面積バイアスを最も強く補正できる方法で、その代わりに形がゆがみます。カルトグラムの解説記事では、私たち独自の取締カメラの台数データから実際にカルトグラムを作っています。

10. 等値線図

等値線図は、連続して変化する面の上で、同じ値の地点を結んだ線を描く地図です。地形図の等高線、天気図の等圧線、気候図の等温線はどれも等値線です。人口密度のように値が地域ごとにしか存在しない場合、その地図はアイソプレス図(isopleth map)と呼ばれます。読み方と計算方法は等高線の解説記事で説明しています。

11. 流線図

流線図は、場所と場所の間の移動を、量に比例した太さの線や矢印で描く地図です。都市間の通勤者、港の間の貨物、国と国の間の移住などに使います。シャルル・ジョゼフ・ミナールが描いた1812年のナポレオンのロシア遠征の図が、歴史上最もよく知られた例です。流線図には、出発地と目的地の組と、組ごとの値が必要です。すぐに読みにくくなるため、小さな流れはまとめるか、大きな流れだけを表示してください。

12. ヒートマップ

Web地図のヒートマップは、個々の点をなめらかな色の面に変換し、点が密集している場所を明るく、何もない場所を薄く表示します。都市内のタクシーの乗車地点や、道路沿いの事故の発生地点など、活動が集中している場所を手早く示せます。ヒートマップが示すのは相対的な密度だけなので、正確な比較よりも探索に向いています。また、結果は選んだ平滑化の半径に大きく左右されます。

知っておきたいその他の地図

分類にきれいに収まらない地図もあります。模式図は、鉄道の路線図のように、駅の位置を正確さより見やすさを優先して配置した地図です。距離より接続のほうが重要だからです。ダシメトリック図は、土地利用などの補助データを使ってコロプレス図を補正し、値を地域の中で実際にその現象が起きている部分に割り当てます。経路計算から作る地図の代表は等時間圏図(アイソクロン)で、ある地点から一定時間内に到達できる範囲を示します。Isochrone APIは、そのポリゴンをすぐに描画できる形で返します。リアルタイム地図は、車両の現在位置、気象レーダー、公共交通の到着情報をWeb地図に重ねて表示します。

主題図の種類の選び方

まずデータから考えます。

  • 地域ごとの比率や割合: コロプレス図
  • 地点ごとの実数: 図形表現図(比例シンボル図)
  • 面に広がる実数: ドットマップ
  • 気温や標高のような連続した変数: 等値線図
  • 場所と場所の間の移動: 流線図
  • 大量の個別の点で、集まり方だけが重要な場合: ヒートマップ
  • 実際の面積がメッセージをゆがめる場合: カルトグラム

次に配色を選びます。順序のあるデータには、明るい色から暗い色へ変わる連続配色が合います。基準値に対する変化のように意味のあるゼロがあるデータには、中間点で2色が出会う発散配色が合います。順序のないカテゴリには質的配色を使います。どの配色でも、ColorBrewerのパレットが今も標準的な参考資料です。最後に、階級や記号の大きさを説明する凡例を付けてください。効果的な凡例のレイアウトは地図の凡例の解説記事で紹介しています。

MapAtlasで主題図を作る

MapAtlas Maps APIは、上で紹介したどの主題図にも使えるベクタータイルとスタイル設定を提供します。行政境界を含むベーススタイルを読み込み、データをGeoJSONとして取得し、コロプレス図にはfillレイヤー、図形表現図にはcircleレイヤー、密度の表示にはheatmapレイヤーを追加します。

行政区域の場合は、境界をGeoJSONとして用意し、地図に表したい値を各フィーチャーのプロパティとして持たせます。そのうえで、プロパティを色のグラデーションに対応させるデータ駆動型の色の式を使ってfillレイヤーを追加します。点データの場合は、値をプロパティとして持たせ、値に応じて大きさを変えるcircle-radiusの式を使います。要素の多い地図では、読みやすさのためにcircle-strokeを付けてください。

地域をクリックして正確な数値を表示したり、カテゴリで絞り込んだり、時系列でアニメーションさせたりする対話的な分析には、Maps APIに小さなクライアント側の状態管理を組み合わせます。ブログ記事やレポート用の一度きりの静的な地図なら、同じAPIで静的画像をレンダリングし、PNGとして保存できます。住所の位置に記号を置きたいときは、座標ツールで住所を緯度と経度に変換してください。

よくある失敗

最も多い失敗は、コロプレス図に実数を使うことです。面積が2倍の地域は、2倍重要に見えてしまいます。2つ目は階級の数を増やしすぎることで、パターンが見えなくなります。通常は5から7階級で十分です。3つ目は色覚の多様性への配慮不足です。標準的な赤と緑の配色は、男性の約12人に1人、女性の約200人に1人にとって読み取りにくいものです。

どの種類であっても、地図はコミュニケーションの道具です。データに合った種類を選び、表現を正直に保てば、読み手は数秒でパターンをつかめます。

よくある質問

地図にはどんな種類がありますか?

地図は大きく二つに分かれます。一般図は多くの要素を同時に示し、位置や道を知るための地図で、行政区分図、地勢図、地形図、道路地図、地籍図が代表的な種類です。主題図はひとつのテーマの分布を示す地図で、コロプレス図(階級区分図)、ドットマップ、図形表現図(比例シンボル図)、カルトグラム、等値線図、流線図、ヒートマップがよく使われます。この記事ではこの12種類を解説します。海図、路線図のような模式図、等時間圏図もこれらと並ぶ地図です。

主題図とは何ですか?

主題図とは、人口密度、平均所得、選挙結果、降水量など、ひとつの特定のテーマの空間的なパターンを示すために作られた地図です。一般図は道路、河川、都市、地形など多くの要素を同時に示します。主題図はそれ以外の要素を控えめな背景に下げ、色や濃淡、記号を使ってひとつのデータを一目で読み取れるようにします。

一般図と主題図の違いは何ですか?

一般図は「どこに何があるか」に答える地図です。境界、地形、道路、土地の区画を示し、場所を探したり道をたどったりするのに使います。主題図は「何がどこに集中しているか」に答える地図です。都道府県別の失業率や都市間の通勤の流れのように、ひとつの変数を簡略化した一般図の上に表します。

コロプレス図はいつ使い、いつ避けるべきですか?

データが都道府県や市区町村などの行政区域に結び付いていて、比率、割合、人口あたりの値のように正規化されているときに使います。実数(総数)には使わないでください。面積の大きい地域ほど、その大きさだけで重要に見えてしまうからです。実数には図形表現図(比例シンボル図)かドットマップのほうが適しています。

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著者について

Brent van der Heiden

著者

Brent van der Heiden

Co-Founder & CEO at MapAtlas

Brent built MapAtlas out of a conviction that developers deserve location APIs with fair pricing and genuine end-user privacy. Before that he co-founded MapMetrics, a community mapping and navigation app. He writes about geospatial infrastructure, map data, AI search visibility, and how location data powers the products people rely on every day.

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