等高線とは、地図上で同じ高さの地点を結んだ線です。一定の高さごとに引くことで、平らな紙の上に山や谷、斜面の形を読み取れる図ができあがります。等高線は、より大きなグループである等値線(アイソライン、isoline)の一種でもあります。等値線は同じ値の地点を結ぶ線のことで、気圧、気温、降水量、人口密度も同じ方法で地図にできます。
この記事では、等高線の読み方、等高線の間隔が示すこと、データから等高線を計算する方法、そして等高線以外の等値線と等値線図の仕組みを解説します。道路ネットワークから作る特別なケースである等時間線(アイソクローン)は、別の記事「アイソクローンとは」で扱っています。
等高線とは
等高線は、基準面(通常は平均海面)から同じ標高にある地点を結んだ線です。等高線で表した地図では、一定の高さごとに線を引くので、線の間隔と形から土地の上り下りがわかります。
等高線は等値線の一種です。等値線とは、連続して変化する量が一定の値をとる地点を結んだ地図上の線です。英語のisolineはギリシャ語で「等しい」を意味する isos に由来し、表す量ごとに名前が付いています(後の表を参照してください)。
等高線の読み方
読み方のルールはどの等高線図にも共通です。USGSの地形図記号ガイドは次のようにまとめています。
- 線は交わりません。 各線はひとつの高さの地点だけを結ぶので、高さの違う2本の線が接することはありません。地面が垂直になる場所では、がけの記号に切り替わります。
- 間隔が傾斜を表します。 等高線どうしが近いほど斜面は急です。間隔が広い、あるいは線がまったくない場所は、ほぼ平らな土地です。
- 間隔は一定です。 隣り合う線の高さの差は地図全体で同じで、USGSの地図では余白に記載されています。
- 計曲線は太く描かれます。 数本おきに、標高の数字が付いた太い線(計曲線)があり、位置を確かめる目印になります。その間の細い線(主曲線)が細部を補います。
- 閉じた輪は頂上かくぼ地です。 閉じた等高線はふつう丘や山頂を表します。内側に向けた短いひげが付いた等高線は、くぼ地を表します。
線の形からは地形がわかります。上流側(高い方)に向かってVの字やUの字に曲がる等高線は谷を示し、川はVの先端に沿って流れます。下流側(低い方)に向かって曲がる等高線は尾根を示します。2つの閉じた輪が砂時計のように向かい合う場所は鞍部(あんぶ)で、2つの山頂の間の低いところです。
線の間隔から傾斜を求める
縮尺と等高線の間隔がわかれば、線の間隔を数値に変換できます。傾斜は、等高線の間隔を2本の線の間の地上距離で割った値です。国土地理院の地形図で使われている2つの組み合わせについて計算しました。
| 地図上の線の間隔 | 2万5千分1、主曲線10 m | 5万分1、主曲線20 m | 傾斜 |
|---|---|---|---|
| 1 mm | 地上で25 m | 地上で50 m | 40%(21.8°) |
| 2 mm | 50 m | 100 m | 20%(11.3°) |
| 5 mm | 125 m | 250 m | 8%(4.6°) |
| 10 mm | 250 m | 500 m | 4%(2.3°) |
縮尺が半分になると等高線の間隔も2倍になるため、どちらの地形図でも紙の上で同じ間隔なら傾斜も同じになります。つまり、線の間隔が1 mmなら一般的な道路よりずっと急な斜面、1 cmならゆるやかな上り坂です。計算方法と結果は scripts/seo/blog-keyword-research/what-is-an-isoline-map-slope.mjs で確認できます。
ある地点の高さを線から読み取る代わりに直接調べたいときは、標高ツールを使ってください。住所や地図上の任意の地点の標高を返し、経路に沿った標高断面図も描けます。
等高線の間隔
等高線の間隔は、地図の細かさを決めます。USGSのガイドによると、平らな土地の地図では10フィート以下、山地では100フィート以上の間隔が使われることがあります。
日本の地形図では、国土地理院が縮尺ごとに間隔を決めています。
| 地形図 | 計曲線 | 主曲線 | 補助曲線 |
|---|---|---|---|
| 2万5千分1 | 50 m | 10 m | 5 m、2.5 m |
| 5万分1 | 100 m | 20 m | 10 m、5 m |
どちらの地形図でも、計曲線は主曲線5本ごとに1本です。補助曲線は、主曲線だけでは地形の変化が表れない平らな場所に破線で加えられます。
間隔は小さければよいというものでもありません。急な地形では線が詰まりすぎて重なり、平らな地形で間隔が大きすぎると、広い範囲に線が1本も引かれなくなります。
等高線以外の等値線
等高線は最もよく使われる等値線ですが、空間の中でなめらかに変化する量なら同じ考え方で地図にできます。
| 等値線 | 結ぶ地点 | 使われる場所 |
|---|---|---|
| 等高線 | 同じ標高 | 地形図、登山地図 |
| 等深線 | 同じ水深 | 海図 |
| 等圧線 | 同じ気圧 | 天気図 |
| 等温線 | 同じ気温 | 気候図、天気図 |
| 等降水量線 | 一定期間の同じ降水量 | 降水量図、水文図 |
| 等時間線(アイソクローン) | 出発地から同じ移動時間 | 商圏分析、配送分析 |
読み方のルールもそのまま使えます。天気図では、等圧線が密集している場所ほど気圧の傾きが大きく、風が強くなります。NOAAの地上気圧図に関する教材JetStreamでは、各観測所の気圧を海面気圧に換算して高度の違う観測所を比較できるようにしたうえで、1000ミリバールから4ミリバールごとに等圧線を引いています。
等値線図の2つの種類
地図学では、等値線図を値の出どころによって2種類に分けます。
測れる値を結ぶ線は、どの地点にも存在する値を表します。ある場所に立てば、その場所の標高や気温を測れます。等高線、等圧線、等温線はすべてこちらです。
面積から計算した値を結ぶ線は、英語でisoplethと呼ばれ、ある範囲に対してしか存在しない値を表します。代表例は人口密度です。1つの地点には密度がないので、地区ごとの人口を面積で割り、その値を地区内の一点に置き、点の間を補間して線を引きます。この区別は、地理学者ジョン・K・ライトが1944年に提案し、地図学の教科書に定着しました。
面積あたりの値の等値線図は、コロプレス図と同じ種類のデータ(面積あたりの割合)を表しますが、地区ごとに1色で塗る代わりに、なめらかな面として描きます。そのため、地区の境界をまたいだパターンが見やすくなります。一方で、データには含まれていない地区内部の変化を作り出してしまいます。降水量や通勤者の密度のように本当に少しずつ変わる現象にだけ使い、税率のように境界で急に変わる値には使わないでください。
日常的な使い方や学校の地理では、等値線図は等高線図や等圧線図を含む、同じ値を線で結んだ地図全般を指します。資料で「等値線図」という言葉を見たら、どちらの意味で使われているかを確認してください。
等値線の作り方
等値線図は測定値から作りますが、測定値がきれいな格子状に並んでいることはほとんどありません。気象観測所、測量点、測深点はばらばらに散らばっています。線を引くには2つのステップが必要です。
1. 面を補間します。 散らばった値から、規則的な格子の各点の値を推定します。よく使われるのは、近い点ほど重みを大きくする逆距離加重法や、点を三角形に分割して線形補間する方法です。GDALのgdal_gridは、べき乗付き逆距離加重、最近傍、移動平均、ドロネー三角形分割上の線形補間などを実装しています。標高の場合、数値標高モデルがすでに格子状のラスターなので、このステップを省略できることがよくあります。
2. 線をたどります。 次に、等値線を引くアルゴリズムが格子を順に調べます。2次元格子の標準的な方法はマーチングスクエア法です。各セルの四隅が目的の値より上か下かを調べ、値をまたぐ場所に線分を置きます。線分をつなぐと連続した線になります。GDALのgdal_contourは、ラスターの標高モデルから一定の間隔で等高線を作り、ベクトルの線として書き出します。
補間は推定にすぎません。測定点がまばらな場所では、その間の線は面をモデル化したものであり、地図の信頼性は元のデータの信頼性を超えません。面積あたりの値の等値線図では、地区内のどの点に値を置くかによっても線が動くので、結果はデータだけでなく地区の境界にも左右されます。
等値線とアイソクローン
アイソクローン(等時間線)は同じ移動時間を結ぶ等値線ですが、作り方が違います。測定値を補間する代わりに、ルーティングエンジンが出発地から道路ネットワークに沿って外側へ広がり、各地点に着くまでの時間を記録します。10分、20分、30分の境界がアイソクローンになります。そのため、アイソクローンは移動手段、道路ネットワーク、出発地によって変わり、等高線は地形だけで決まります。
「15分でどこまで行けるか」を知りたいなら、「アイソクローンとは」を読んでください。どれくらい高いか、どれくらい急か、どれくらい暖かいか、どれくらい雨が多いかを知りたいなら、この記事で説明した等値線図が必要です。
関連記事
- 地図の種類:等高線図や等値線図が、一般図と主題図のなかでどこに位置づけられるかを解説しています。等高線に水域、道路、地名を組み合わせた地形図も、一般図の一種として取り上げています。
- コロプレス図:地域や郵便番号区域などの範囲に属するデータを、その境界に結びつけたまま表すときの定番です。
- 標高ツール:任意の地点の標高や、経路に沿った標高断面を調べられます。
よくある質問
等高線とは何ですか?
等高線とは、基準面(通常は平均海面)から同じ高さにある地点を結んだ地図上の線です。一定の高さごとに引くことで、平らな紙の上に土地の起伏を表せます。線の間隔が狭いところは急な斜面、広いところはなだらかな土地です。等高線は、同じ値の地点を結ぶ線である等値線の代表例です。
等高線はどう読めばよいですか?
まず凡例で等高線の間隔を確認します。次に標高の数字が書かれた太い計曲線をたどり、そこから細い主曲線を数えて目的の地点の高さを求めます。線の間隔が狭いほど斜面は急です。閉じた輪は山頂、上流側に向かってVの字に曲がる線は谷、下流側に向かってVの字に曲がる線は尾根を示します。各線はひとつの高さしか表さないので、等高線どうしが交わることはありません。
等高線の間隔はどのように決まっていますか?
隣り合う等高線の高さの差を等高線間隔と呼び、1枚の地図の中では一定です。国土地理院の2万5千分1地形図では主曲線が10 mごと、計曲線が50 mごと、5万分1地形図では主曲線が20 mごと、計曲線が100 mごとに引かれています。平らな場所では、補助曲線が破線で加わります。
等値線図とは何ですか?
等値線図は、同じ値の地点を線で結んだ地図の総称です。地図学では、標高や気温のようにどの地点でも測れる値を結ぶ線と、人口密度のように面積に対してしか計算できない値を結ぶ線(英語でisopleth)を区別します。後者では、地区ごとの人口を面積で割った値を地区内の一点に置き、その点の間を補間して線を引きます。日常的には、等値線図は等高線図や等圧線図を含む広い意味で使われます。
等値線と等時間線(アイソクローン)の違いは何ですか?
等値線は同じ値を結ぶ線全般を指す言葉です。アイソクローン(等時間線)は、出発地から同じ移動時間で到達できる地点を結んだ等値線で、測定値の格子からではなく道路ネットワークから計算します。アイソクローンについては別の記事で詳しく解説しています。

