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Comparisons

EU開発者向け Google Maps API の代替サービス(2026年版)

ヨーロッパ向けプロダクトの地図APIを選ぶなら。Google Maps API の主な代替サービスを、料金体系、データ所在地、GDPR、開発者体験で比較します。

Brent van der Heiden最終更新 12 min read
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EU開発者向け Google Maps API の代替サービス(2026年版)

ヨーロッパのユーザー向けに位置情報機能を作るなら、地図APIは単なるUIコンポーネントではありません。訪問者のIPアドレスや検索クエリがどこで処理されるか、トラフィックに応じて請求額がどう増えるか、将来どれだけ簡単に乗り換えられるかを左右します。Google Maps Platform は定番の選択肢ですが、代替サービスも十分に成熟し、きちんと比較する価値がある段階に来ています。

このガイドでは、EUのチームが一般的に何を比較検討するかを整理し、主な代替サービスを順に紹介し、最後に実践的な移行チェックリストを示します。

EU開発者が比較検討するポイント

料金体系

Google Maps Platform は、プロダクトの SKU ごとにリクエスト単位で課金します。地図の読み込み、ジオコーディング、Places、ルートには、それぞれ独自の料金と無料利用枠があります。2025年3月、Google は全体共通の月額200ドルのクレジットを SKU ごとの無料利用枠に置き換えました。そのため、以前のコスト試算はもう当てはまりません。1つの目立つ数字に頼るのではなく、使う API ごとに現実的な1か月分を試算してください。SKU の詳細は Google Maps API 料金ガイドで解説しています。

データ所在地と GDPR

Webマップが読み込まれるたびに、ブラウザはプロバイダーからタイルとスクリプトを取得します。つまり、訪問者のIPアドレスがそのプロバイダーに届きます。GDPR のもとでは、IPアドレスは個人データです。米国のプロバイダーを使う場合は移転の仕組みが必要で、多くの構成では地図を表示する前に同意を取得する必要があります。EU法人としてEU内でホスティングしているプロバイダーなら、第三国への移転という問題は発生しません。チェックリストの詳細は GDPR 準拠の地図APIガイドにまとめています。

ポータビリティ

独自のスタイリングツールで作ったスタイル、ベンダー固有のスキーマで返るジオコーディングのレスポンス、1つの SDK に縛られたルート形式は、どれも後々の乗り換えコストを押し上げます。MapLibre のスタイル仕様、GeoJSON、MVT 形式のベクタータイルといったオープンなフォーマットを使えば、そのコストを低く抑えられます。

カバレッジと機能

Google は独自のコンシューマー向けデータを持っています。Street View、膨大な量のユーザーレビュー、主要施設の屋内マップです。プロダクトがそれらに依存しているなら、判断材料に含めてください。一方、典型的な開発者のユースケース(SaaS プロダクト内の地図、チェックアウト時の住所検索、店舗検索、配送ルーティング)であれば、中核となる機能は複数のプロバイダーから利用できます。

主な代替サービス

1. OpenStreetMap + Leaflet.js

向いているケース: シンプルな地図、少ないトラフィック、スタックを自分で組み立てることに慣れたチーム。

Leaflet.js は、最も広く使われているオープンソースの地図ライブラリの1つです。OpenStreetMap のタイルと組み合わせれば、数行でインタラクティブな地図を作れます。

import L from 'leaflet';

const map = L.map('map').setView([52.3676, 4.9041], 13);

L.tileLayer('https://tile.openstreetmap.org/{z}/{x}/{y}.png', {
  attribution: '© OpenStreetMap contributors'
}).addTo(map);

Leaflet が担うのは地図の表示だけです。ジオコーディングとルーティングには別のサービスが必要で、たとえばジオコーディングには Nominatim、ルーティングには OSRM や Valhalla を使います。OpenStreetMap の公開タイルサーバーは寄付されたキャパシティで運用されており、タイル利用ポリシーによって大量の本番トラフィックは認められていません。実際のプロダクトでは、自前のタイルホスティングか商用のタイルプロバイダーが必要です。

コスト: ライブラリは無料です。ホスティングまたはタイルプロバイダーの費用がかかります。

制約: API を利用するのではなく、スタックを組み立てて運用することになります。

2. MapLibre GL JS + 商用タイルホスト

向いているケース: オープンソースのレンダラーでのベクタータイル描画、カスタムスタイリング、3Dマップ。

MapLibre GL JS は、Mapbox がライブラリをプロプライエタリなライセンスに移行したことを受けて 2020年12月に作られた、コミュニティが保守する Mapbox GL JS のオープンソースフォークです。WebGL でベクタータイルを描画し、オープンなスタイル仕様を採用しています。本番トラフィックには、MapTiler(スイスの企業)や Stadia Maps などのタイルプロバイダーと組み合わせます。

コスト: ライブラリは無料です。タイルのプランはプロバイダーごとに別料金です。

制約: 地図の描画のみです。ジオコーディングとルーティングは引き続き別のサービスから調達します。

3. MapTiler

向いているケース: ヨーロッパの企業が提供するホスティング型の地図プラットフォームを求めるチーム。

MapTiler は、タイル、ジオコーディング、MapLibre ベースの SDK をマネージドサービスとして提供しています。有料プランは月30ドルからで、追加のトラフィックは使用量に応じて課金されます。

制約: 中心となるのは地図とジオコーディングです。ルーティング、マトリクス、等時線が必要な場合は、最新の製品ラインナップと照らし合わせて確認してください。

4. MapAtlas

向いているケース: 地図、ジオコーディング、検索、ルーティング、マトリクス、等時線を、EU内でホスティングされた1つのプラットフォームから1つのキーで使いたいEUのチーム。

MapAtlas は OpenStreetMap ベースのデータで構築され、ISO 27001 認証を取得したデータセンターのEUインフラ上で稼働しています。地図レンダラーは MapLibre 互換なので、既存の MapLibre のスタイルやレイヤーのコードをそのまま移せます。すべての API はシンプルな REST エンドポイントです。たとえばフォワードジオコーディングは次のとおりです。

curl "https://gateway.mapmetrics-atlas.net/forward-geocode/?text=Prinsengracht%20263%20Amsterdam&size=1&token=YOUR_TOKEN"

この呼び出しは、座標と構造化された住所を含む GeoJSON の FeatureCollection を返します。そのまま地図に載せられる形式です。同じキーで Geocoding API、Search API、Directions API、Matrix API、Isochrone API を利用できます。

コスト: 従量課金制で、月10,000リクエストまでの無料枠があり、クレジットカードは不要です。API ごとの料金は料金ページに掲載しています。

サポート: 質問やインシデントには、フォーラムではなくチームのメンバーが直接対応します。

比較表

Google MapsLeaflet + OSMMapLibre + タイルホストMapTilerMapAtlas
料金体系SKU ごとのリクエスト課金無料ライブラリ + ホスティングプロバイダーのプランプラン + 使用量従量課金 + 無料枠
EUでのデータ所在地なしタイルホスト次第タイルホスト次第ヨーロッパの企業あり
ジオコーディングあり別途別途ありあり
ルーティングと等時線ルーティングはあり別途別途最新の提供内容を確認あり
ベクタータイルありMapLibre 経由ありありあり
オープンなスタイル形式なし該当なしありありあり(MapLibre)
導入の手間少ない多い中程度少ない少ない

どれを選ぶべきか

低トラフィック、シンプルな地図、少ない予算: OpenStreetMap と Leaflet を使い、公開タイルのポリシーの範囲を超えたらタイルプロバイダーに移行してください。

ベクタースタイルを完全にコントロールしたい: MapLibre GL JS と、ホスティング場所を確認済みのタイルホストを組み合わせてください。

ヨーロッパの企業によるマネージドな地図とジオコーディングのサービス: MapTiler です。

地図、ジオコーディング、ルーティング、マトリクス、等時線をEU内でホスティングされた1つのプラットフォームで: MapAtlas です。位置情報スタック全体を1つの契約と1つのデータ処理契約にまとめられます。

移行に必要な作業

Google Maps からの移行は、ほとんどのアプリケーションで数か月ではなく数日単位のプロジェクトです。

  1. 地図ライブラリを置き換える。 Google Maps のスクリプトを MapLibre 互換のレンダラーに差し替え、新しいスタイル URL を指定します。
  2. キーとエンドポイントを切り替える。 ジオコーディング、場所検索、ルーティングの呼び出しは、リクエストとレスポンスの考え方は同じで、パラメーター名が異なり、レスポンスは GeoJSON になります。
  3. マーカー、ポップアップ、レイヤーを移植する。 ほとんどの概念は1対1で対応します。データレイヤーはスタイル内のソースとレイヤーになります。
  4. すべての操作をテストする。 時間の大半はここに使われます。オートコンプリート、ジオコーディングのエッジケース、自社のユーザーフローでのルート表示を確認してください。

Street View や屋内マップのような Google 固有の機能、そして Google のレスポンス形式を前提にハードコードされた定数には、追加の時間を見込んでください。インタラクティブマップのチュートリアルでは、マーカー、ポップアップ、住所検索を含む MapLibre スタイルの実装を一通り紹介しています。


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よくある質問

EU開発者にとって最適な Google Maps API の代替サービスはどれですか?

スタックをどこまで自社で運用したいかによって決まります。OpenStreetMap と Leaflet.js の組み合わせは、シンプルでトラフィックの少ない地図に向いています。MapLibre GL JS と商用タイルホストを組み合わせると、ベクタースタイルを完全にコントロールできます。MapAtlas のようなマネージドプラットフォームは、地図、ジオコーディング、ルーティング、等時線(isochrone)を1つのキーにまとめ、EU内でホスティングしています。データ所在地、必要なAPI、自分で保守できるインフラの範囲を基準に選んでください。

Google Maps API は GDPR に準拠していますか?

GDPR に準拠した形で使うことは可能ですが、手間がかかります。地図を読み込むたびに訪問者のIPアドレスが米国企業の Google に送信されるため、その移転の法的根拠、データ処理契約、プライバシーポリシーの更新、そして多くの構成では地図を読み込む前の同意取得が必要です。EU法人が運営し、EU内でホスティングするプロバイダーを選べば、第三国への移転という論点そのものがなくなります。

MapAtlas の料金は Google Maps と比べてどうなっていますか?

MapAtlas は従量課金制で、月10,000リクエストまでの無料枠があり、クレジットカードは不要です。各APIの1,000リクエストあたりの料金は料金ページで公開しています。Google Maps Platform はプロダクトの SKU ごとに個別に課金し、SKU ごとに無料利用枠を設けています。判断する前に、地図、ジオコーディング、ルーティングの自社の月間ボリュームを両方の料金表に当てはめて試算してください。

コードを書き直さずに Google Maps API から移行できますか?

そのまま差し替えられるドロップイン代替にはなりません。地図の初期化、マーカー、レイヤーの考え方は似ていますが、メソッド名とレスポンス形式が異なるため、すべての呼び出し箇所に手を入れる前提で計画してください。中程度の複雑さの React または Next.js の実装なら、1日から3日を見込んでください。その大半はテストです。Street View や屋内マップのような機能は、ほとんどの代替サービスが提供していないため、別途計画が必要です。

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著者について

Brent van der Heiden

著者

Brent van der Heiden

Co-Founder & CEO at MapAtlas

Brent built MapAtlas out of a conviction that developers deserve location APIs with fair pricing and genuine end-user privacy. Before that he co-founded MapMetrics, a community mapping and navigation app. He writes about geospatial infrastructure, map data, AI search visibility, and how location data powers the products people rely on every day.

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